唐衣(からころも)は和歌の代表的な枕詞のひとつでしょう。一般的に、「からころも」は「着る」、「裁つ」、「袖」、「裾」といった言葉のまくらに使われると言われています。

よく例文にあげられるのが在原業平の「唐衣着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」や防人歌の「韓衣(からころむ)裾(すそ)に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母(をも)なしにして」などがあります。

ここで着目していただきたいのがふたつめの句の「母(をも)」という発音です。明らかに大陸伝来の言葉と言うことがわかるのではないでしょうか。今では、この時代とは異なり世界レベルでみると日本が先行しているという意見も根強くあります。しかし、朝鮮半島を含めて中国大陸の力は現代でもすさまじいパワーを持っています。安穏な生活に浸りきった日本人よりもパワフルな中国大陸は無視できない存在なのです。

冷戦時代は、北の脅威と言えばソビエト連邦(現ロシア共和国)を意味していました。現在でもいつそのような時代に戻らないとも限りません。対象国が別な国になるかとも思いますが。そんな中、我々日本人は秩序ある世界の形成に根本の部分から関与していかねばならぬ重要な責務を帯びていることを自覚すべきなのではないでしょうか。夢を夢に終わらせることなく、エネルギー不足や食料不足に対する長期的かつ国家的な視野が欠かせない時代なのです。一国が世界を支配すると言う状況は現代では考えにくいのです